気密測定・風量測定
気密測定
住宅の隙間の量を計測する検査のことです。この気密測定により、住宅の隙間相当面積が分かります。気密測定の方法は、強力なファンを使って、建物内の空気を外に出します。すると、隙間の多い住宅では隙間から、多くの外気が建物内に流入して、屋内と屋外の気圧の差が、あまり生じません。
しかし、隙間の少ない住宅では流入してくる外気が少ないので、屋内と屋外の気圧差が大きくなります。
相当隙間面積(C値)
住宅の隙間を直接計ることはできません。そのため、気密測定を行って住宅の相当隙間面積を測り、住宅にどのくらいの隙間があるかを判断します。
気密の測定方法
一般に使用される測定装置は、送風機、流量測定器、内外の圧力測定器、内外の温度計などで構成されます。送風機で住宅内外の圧力差を作り、5点以上の圧力差と流量を測定して、グラフを作成し、そのグラフをもとに総相当隙間面積を算出します。低気密住宅では、隙間が多いため、送風機で空気を送り出しても、隙間からすぐに空気が流入してくるため、流量を大きくしてもあまり差圧があがりません。それとは逆に、高気密住宅では、少ない流量で差圧を上げることができます。
気密測定の流れ
1.密閉作業
気密性を高めるために窓や換気扇などの隙間になる場所を塞いでいきます。
2.器具設置・組立
器具の組立を行っていきます。設置する窓の周辺も同じように密閉します。
設置が終わった後は、念のため動作テストを行い調整していきます。
3.気密測定の開始
密閉確認と調整を済ませ、実際に測定を行っていきます。
4.気密・通気チェック
密閉した場所以外で、コンセントまわりなど風の流れがある場所を細かく確認していきます。
5.測定結果の確認
気密測定器で測定できた数値や、実際に風の通りを確認した内容を総合して施工・計画の改善提案を行っていきます。
風量測定
強制換気システムが正しく動作しているかを確認するときに使用します。具体的には、強制換気の吸い込み口に風量測定器をあてて風量を測定し、計画した風量が正しく出ているかを確認します。吸い込み口に測定器を当てるだけで瞬時に風量が表示される風量測定器があり、これを使用することで簡単に風量を測定できるようになりました。必要な換気量は、住宅内の状態により変わってきます。
例えば、住宅内の人数が多い場合、炊事や風呂などから大量の水蒸気が発生する場合、調理をするためにガスコンロを使用している場合、VOCが多く出ている場合など、空気が汚れる要素があればその分だけ多くの換気量が必要になります。通常、1人に対して必要な1時間あたりの必要換気量はおおよそ20~30m3です。住宅内に4人いたとすると、必要換気量は120m3/hとなり、住宅の気積が240m3の場合、1時間あたり0.5回の換気回数が必要になります。
つまり1時間内に住宅内の空気を半分入れ換えればよいということになります。
住宅を建てる場合には、必ず必要換気量が得られるかを測定してください。機械換気のカタログに換気量が記述されている場合がありますが、必ず実測することをおすすめします。これは、配管の状態や、給気口の大きさ、温度差・風などにより、実際の換気量が変わるためです。